・イスラエルのガザ侵攻と憎しみの連鎖(ホロコースト)
イスラエルのパレスチナ自治区ガザ*1の状況が大変ひどいことになっているという。最近ちまたでは、このニュースがあふれている。ことの始まりは2008年12月19日、ガザ地区を実行支配するハマス*2とイスラエルの6ヶ月間の停戦期間が終了、停戦延長交渉がまとまらず、ハマスがイスラエルに短距離ミサイルを約30発ぶっぱなし、逆ギレしたイスラエルが2008年12月27日に、ミサイル発射拠点や武器庫に空爆を開始。年が明けて2009年1月4日には、イスラエルが地上軍まで投入する事態となり、パレスチナ人の犠牲者数が、すでに900人を超えてしまったらしい。もう、いいかげん、この地域ときたら・・・・・。
でも、これはもう、どちらが悪いかといえば、ハマスが悪いよなあ。ハマスは相変わらずイスラエルを挑発しまくっているし、イスラエルはもうすぐ選挙なので、ロケット弾をぶち込まれては国民に弱腰な姿勢は見せられないし、パレスチナで犠牲者が増えれば増えるほど、パレスチナ人のイスラエルへの憎悪と復讐心が、過激派なハマスの支持に繋がるという。もう完全なハマスのマッチポンプじゃん。
とはいえイスラエルも、どう考えてもやりすぎだしなあ。パレスチナ人を900人も殺しちゃったら、そらーアラブ諸国はパレスチナ人に同情するしね。アラブ諸国(もしかして国際社会?)からの同情と支持を得るためだけに、ハマスは自国民を犠牲にし続けている。自分もハマスはテロ組織だといわれたら、同意せざるを得ないけど、ガザ地区の住民を皆殺しに出来ない以上は、今後もハマスがなくなるとは思えない。
和平プロセスを進めようとするたびに、いっつもこんな調子ですよ。暴力とテロで台無し。一発のミサイルで台無し。やはりイスラエルをどうしても認めたくない勢力はいるんだな。それに、アラブ諸国はなんだかんだで、反米、反イスラエルだからね。一国の政治レベルとは別に、陰でハマスを資金援助する人々も多い。
あと、この政情不安で、原油価格が一気に値上がりしているかんね。他のアラブ諸国は「イスラエルは止めろ」といいつつも、この内乱でかなりの恩恵を受けたりもしている。景気が悪くて経済が瀕死のアラブ諸国にとっては、これはちょっとしたボーナスステージ。なので放置気味。パレスチナ人はこうした諸々の事情のための、犠牲になってしまっているんだね。犠牲になるのはいつも、何ももたない庶民。
それに石油価格の上昇は、アメリカにとってもありがたいんだよな。日本にとってはありがたくないけど。そんなこんなで、誰もが積極的に終わらせる気もなく。かといって、これが大戦争に繋がるともおもえず。今のところはかなりほのぼのした感じ?パレスチナ人の犠牲者だけが、ただ淡々と増えるという。悲しみの連鎖。
でも日本は幸いにして?この地区とはほぼ利害関係がないし、クビを突っ込まない方がいいのだろう。日本が口出しして、なんとかなるとも思えないし。関わってもロクなことないし。酷い考え方といえば、その通りなのかもしれないケド。
●その他の記事:
・2008年日本経済総括(フィリップス曲線)
・竹島問題と韓国の逆ギレ(2月22日は竹島の日)
・グルジア紛争とコーカサスの風景(北風と太陽)
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*1:イスラエルにはエジプトと国境を接するガザ地区、ヨルダンと国境を接するヨルダン川西岸地区と、2つのパレスチナ人自治区の飛び地があり、ガザ地区はハマスが、ヨルダン川西岸地区はファタハが、現在のところ実効支配をしている。現在のガザ地区は、当時いたイスラエル入植者が全て撤退したため、さながらパレスチナ人を押し込めておくためのゲットーの様相を呈している。
*2:パレスチナ解放運動を行う過激派イスラム原理主義の政党、または組織。穏健派の与党ファタハと激しく対立する。2006年1月のパレスチナ選挙ではハマスがファタハに圧勝し、2007年3月には大連立を行うも、意見が合わずにに3ヶ月を待たずに崩壊。ハマスは2007年6月12日にガザ地区の武力占拠に及び、ファタハのアッバス議長は直ちに非常事態を宣言。議会からハマスを追放するもハマス側は認めず、完全な内戦状態となる。現在のところ議会は機能しておらず、アッバス議長は2009年1月に大統領の任期が切れるも、選挙は行われていない。というわけで、ガザ地区はハマス、ヨルダン川西岸地区はファタハと、パレスチナ人内部でも非常にややこしいことになっており、そこにイスラエル軍、レバノンとそのイスラム原理主義組織ヒズボラ、シリアやイラン、エジプトなどの外交勢力が複雑に絡み合って、情勢はまったくもって意味不明。ちなみに欧米諸国や日本はハマスをテロ組織として非難しており、ハマスがガザ地区を占領してからは経済封鎖を絶賛実施中。