・臓器移植と命のリレー(人工多能性幹細胞)

 2009年6月18日、衆院本会議にて臓器移植法改正4法案のうち「脳死は一般に人の死」と位置付け、15歳未満の子どもからの臓器提供を可能にするA案が、賛成263票、反対167票の賛成多数で可決されました。まだ参院での審議が残っているけど。ちなみに議員立法4案は以下の通り。

  • A案:脳死は人の死と位置付け、年齢に関係なく本人の拒否表明がなければ、家族の同意で臓器移植が可能
  • B案:臓器提供が可能な年齢を現行の「15歳以上」から「12歳以上」に引き下げる
  • C案:脳死判定の定義を厳格化する
  • D案:大人は現行法を維持し、15歳未満は家族の同意と第三者による審査を条件に可能とする


 う〜ん・・・・・なし崩し的に国会で法案が決められちゃって、審議や国民のコンセンサスがチョット足りない感じは確かにするのだけど、世界保健機関(WHO)で臓器移植の国内自給自足を求める「イスタンブール宣言」が採択されちゃって、来年度中にも渡航移植が原則禁止になるらしいからなあ。でもそうなると今のままでは、15歳未満の小児には臓器移植が出来なくなっちゃうし・・・。どうやら日本は金に物を言わせて、海外での臓器移植を独占してヒンシュクを買っていたらしい。


 まま、とりあえずみなさまそれぞれ、さまざまな意見があると思いますが、自分の立場としては移植医療を否定する気はサラサラないので、結果的にはこれでよかったのだと思う。乳幼児の臓器移植が海外でしかできないってのは、やっぱどう考えてもおかしいしね。それに移植のための渡米費用は、最近足元みられてぼったくられまくってるからなあ。お涙ちょうだいの募金活動だって、年にそう何回もやられたらうんざりしちゃうし。でも、これでやっと子供の国内移植にも道が開かれたわけだ。


 もちろんドナーの立場になって考えてみるとね、かく言う自分も脳死したからって、臓器という臓器をかたっぱしからすべて持ってかれちゃうのは、さすがにはちょっと・・・みたいな感じになってたりするんですけど。そりゃ移植の必要な患者さんを、助けたいか助けたくないかで言ったら、全然助けたいんですけど。まあ、かわいい子供を助けるためなら、臓器の一つや二つ提供してもいいかなって思うけど、酒の飲みすぎで腎臓や肝臓を壊したオッサンに臓器を提供するのは、やっぱ納得がいかない(苦笑)。


 脳死ってどれくらいの確率で起こるのかな?自分もなる可能性があるのかな?・・・でもま、犯罪に巻き込まれて司法解剖されちゃう可能性だってあるので、あんま深く考えてもしょうがないか。救われる子供が多くなるということでヨシとしよう。やっぱ難病で幼くして死んでしまう子供ってのは、とても悲しいからね。せっかく生まれてきたからには、夏祭りで浴衣を着たカワイイ女の子と手をつないで欲しいし、海水浴とかでみんなとワイワイ騒いでほしい。あとはじめてのチュウとかも。


その他の記事
 ・日本では自殺する若者が増えている(高瀬舟)
 ・Let's献血のリスク(ライシャワー事件)
 ・豚インフルがメキシコでアウトブレイクしてパンデミック(サイトカイン・ストーム)



無駄なものは一つもない―人生問答集 (人生問答集) (単行本(ソフトカバー))
谷口清超 (著)

日本教文社 (1998/11)

Amazon.co.jpで詳細を見る