・そこに山があるから箱根駅伝は面白い(箱根駅伝2011復路)

 2011年1月3日、第87回東京箱根間往復大学駅伝競走の第2日目が、復路5区間(計109.9km)に20チームが参加して行われ、往路2位の早稲田大学が10時間59分51秒の大会新記録で18年ぶり13度目の総合優勝を果たしました。おめでとうございます。往路を制し3連覇を目指した東洋大は21秒差で2位、駒澤大が3位に入りました。以下、4位:東海大、5位:明大、6位:中大、7位:拓大、8位:日体大、9位:青学大、10位:國學院大、とここまでが来年のシード。
 ちなみに昨年10月の出雲駅伝と昨年11月の全日本大学駅伝を制した早大は、大東大、順大に続く3校目の大学駅伝3冠ということらしい。まあ3冠っていわれてもね。競馬じゃないし、それにどの程度の意味があるのかは分からないけど。でもまあ、すごいことなのだろう。そっかー、しかし、早大の優勝かー・・・。うん、まあ、予想外の展開というわけではなかったのだけどね。それに今回の復路は、けっこう手に汗握る展開で楽しめました。


 でまあ、さっそく復路の感想のほうなんですけど、6区山下りで東洋大早大の抜きつ抜かれつのデッドヒートはかなり面白かった。というか、朝っぱらからかなり笑わせてもらった。早大高野寛基選手の走りはずいぶんと熱かったなあ。途中で豪快にズッコケた(というか、滑って転んだ?)にもかかわらず、それをものともせずに走っていたからなあ。やっぱ山下りというのは、山を恐れずに駆け降りることの出来る、勇気のある選手が強い気がする。
 それに彼の活躍のおかげで、トップ東洋大との27秒差をひっくり返して、さらに36秒のリードを奪ったからね。これは早大の総合優勝に多大なる貢献をしたと思う。彼の勇気ある活躍のおかげで、早大は復路でも主導権を握れたのだから。やはり素晴らしい走りだったといわざるを得ない。それにまあ、自分も柏原選手みたいに、駅伝で気持ちの強い走りをする選手が、どちらかというと好きなんでね。高野選手のガッツ溢れる走りにはちょっぴり感動した。


 あと6区の駒大の千葉健太選手の走りは素晴らしかった。10年ぶりに6区の区間新記録を塗り替えたらしいけど、彼の区間新のあの走りはすごかった。山下りのスペシャリストというか、ちょっとした「山の神」といってもいい気がする。なんせほとんどの選手から2分程度のアドバンテージを稼いでいたかんね。てか、上りの柏原選手ほどではなくても、やっぱ坂に強いってだけで、思わずリスペクトしてしまうの、自分(笑)。なんせ坂好きなもんで(笑)。
 それに山では、トラックでの持ちタイムがそのまま反映されるわけではないからなあ。箱根駅伝では、上りほどではなくても、やっぱり下りも重要。というか、箱根の山を制するものが・・・って、格言そのままだけど、これマジ。なのでまあ、復路の勝負どころといえば、やっぱり6区ということになるのだろう。平地でははり、よほど実力に差がない限り30秒をひっくり返すのも大変だからね。特に復路は。ほとんどが秒差スタートの一人旅なので。


 それから印象に残った選手といえば、昨日の往路優勝のインタビューで「やったぞ田中ー!」と柏原選手が煽ったせいで、一躍脚光を浴びてしまった、東洋大9区の田中貴章選手。彼の走りも素晴らしかった。いや、あんな風にいわれたら、自分なら「プレッシャーかけんじゃねーよ!」って思わず突っ込んじゃうけどね。でも彼は「柏原選手の気持ちに答えたい」とかいって自分のハードルを上げちゃったりなんかして。そんで実際に区間賞をとっったからね。
 やっぱすごい。彼もきっと攻めの気持ちの強い選手なのだろう。やっぱ気持ちで走る選手はいいなあ。駅伝では強いよ。もちろん箱根駅伝に出場する選手ともなれば、ある程度は誰でも持っているのだろうけど。それにまあ、そんな精神論は、さすがに世界では通用しないのだけど(苦笑)。それに、そういうつもりは東洋大の選手にはないかもしれないけど、東洋大が少し柏原選手に頼りすぎたチームになってしまっていたのが、今回の敗因の一つかもしれない。


 それにまあ、自分は東洋大のファンというわけではないので、早大が勝ったことは、それはそれで素直に素晴らしいことだと思うのだけど、だけどほら・・・自分は柏原選手の大ファンだから。柏原選手がゴールでしょんぼりしてたのには、さすがにちょっと胸が痛んだ。てか、できれば、田中選手の活躍で逆転優勝して「やったぞ柏原ー!」ってインタビューで絶叫する、熱い展開を期待していたもので(笑)。だからまあ、残念といえば、残念なんだよなあ・・・。
 「この敗北をバネにして・・」と人はいうけど、そんな言葉はかなり疑わしいというか、個人的には失敗した経験よりも、成功した経験のほうが、何十倍も意味があると思う。なのでそんな負けた事実を取り繕うような言葉は、正直どうかとおもうけど、でも柏原選手は自分と違って、負けても卑屈になったりぜずに、それを克服することの出来る選手だと信じている。柏原選手にとって来年は最後の箱根になるので、ぜひ優勝して欲しい。早大すげー強いけど。


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