・赤ちゃんポスト考(レ・ミゼラブル)

コラム

　2007年5月10日に熊本県熊本市の慈恵病院で、いわゆる「赤ちゃんポスト」の運用が国内で初めて始まったわけですが、自分は反対する人の多さにびっくりした。まあ「ポスト」という呼び方が赤ちゃんがモノみたいに軽薄に感じて気に入らないとか、そういう感情論は別としても、心情的に受け入れられない人が多いんだろうなーと思う。ちょっとヒステリックな気もしますが。
　もちろん自分も「親は子供を大事にするものだし、すべき」といった倫理観には賛同しますが、現実はそうではないのも確か。捨てるくらいなら避妊しろとか、最初から子供を作るなとかいうのはもっともですが、世の中そう思い通りに行くわけでもないし。自分の人生なんか計画通りじゃなさ過ぎて「こんなはずじゃなかった」っていうこともしばしばだし(笑)。


　それに世の中は相変わらず、赤ちゃんをゴミ袋に入れてゴミ捨て場に捨てたり、育児に関心がないというだけで餓死させたり、泣き声がうるさいという理由で虐待したりする親が多いわけすよ。もうそんなニュースがあんまりありふれているので、自分も「またかよ〜」と顔をしかめるのがせいぜいです。悲しいけどそれが現実です。
　もしそれがちょっとでも回避されて、赤ちゃんが死ななくても済むようになるなら、赤ちゃんポストにも意味があるのかなと思う。実際にどれくらい意味があるかはやってみないと分からないですし、もちろんこれで捨て子が一気に増えたなんてことになっても困るわけですが。。。


　とはいえ、子供を捨てる理由が経済的な問題なのか、できちゃった赤ちゃんの処理に困ってのことなのか自分には分かりませんが、例えどんなやむにやまれぬ事情があったとしても、やっぱり子供はできるだけ本当の親に育てて欲しいし、産んだらちゃんと責任を持って欲しいと思う。それは間違いない。子供を産む責任についてもう少しっかり考えて欲しい。
　・・・でもそう考えると三十代のニートの息子を、相変わらず養っている親はある意味すごいな。責任感ありすぎだろ。子供育ちすぎて子供じゃなくなってるし。でもまぁそういう意味では立派といえば立派といえなくもない。そんな親御さん達を、もうちょい評価してあげてもいいんじゃないかなって気がする今日この頃(笑)。


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