・アフガン侵攻とテロ特措法について(アメリカ同時多発テロ事件)

 昨日から11月10日まで、2ヶ月を会期とした臨時国会が始まったわけですが、参院での与野党逆転状態の下、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長問題が最大の焦点となるらしい。
 ちなみに「テロ対策特別措置法」とは、『米国で9.11テロが発生⇒国連安保理決議1368を全会一致で可決⇒米国のアフガニスタン侵攻⇒米国のイラク侵攻』と続く「テロとの戦い」のなかで、9.11テロの首謀者とされるオサマ・ビン・ラディンのテロ組織「アルカイダ」を支援していた、アフガニスタンタリバン政府を攻撃する米軍を後方支援することについて定めた法律です。
 で、安部首相と自民党はテロ対策特別措置法に賛成で、小沢党首と民主党は反対だそうです。安部ちゃんはブッシュ米大統領やハワード豪首相と国際公約までして延長に賛成してるし、小沢さんはシーファー駐日米大使や、8月末に来日したメルケル独首相の要請を断ってまで、延長に反対を表明している。


 もちろんアフガン侵攻は小沢さんの言うように国連決議とは特に関係なく、あくまで米国の個別的自衛権の発動です。日本は米国の同盟国として、自発的にテロとの戦いに参加しているだけです。でも自分はテロ対策特別措置法の延長に賛成。理由は単純で、それが国益に適っているから。てか今回延長しないで、アフガンから撤退するのはいかにもマズイ。
 2006年5月にイラク戦争の関係で米国は駐留の権限をNATO軍に委譲したため、現在のアフガン駐留軍の中心はイギリス、オランダ、フランス、ドイツ、ポーランド、イタリア、カナダ、オーストラリア、韓国、パキスタンなどの多国籍軍なわけですが、現在のところこれが予想以上に大ピンチなわけですよ。相変わらずアフガンの治安は安定せず自爆テロみたいな事件が起きまくりだし、隣国のパキスタンムシャラフ大統領は失政しまくりだしで、去年あたりからタリバンが復活し始めちゃってる。つい最近、韓国人23人の集団誘拐人質事件が発生してたし。ついでにビン・ラディンは相変わらず元気で、ビデオで「米国人はみんなイスラム教に改宗すべき」とかいう声明を発表してるし。
 こんな状況で日本が抜けたりしたら、駐留している国から間違いなく恨まれる。「ここで抜けるか、日本のやろー!!」みたいなかんじで。なんせNATO軍の中からも結構、犠牲者が出てるしね。なんなら米軍あたりがシーレーンでこっそり日本船籍に嫌がらせして、石油価格が一気に跳ね上がちゃうかもしれない(笑)。


 てか外交問題を政局ネタにすんのはやめてくんねーかな。日本の国益を著しく損なう。給油代がもったいないだとか、アメリカがムカツクからだとか、すべての戦争反対だからとか、そういった感情論は別としても、今のところ小沢さんのいう国連中心主義なんてただの幻想だ。
 たしかにテロは日本人にはあまりなじみがないけど、世界では本当に深刻な問題だし、国際協調なしに日本が単独でテロに立ち向かうなんて無理。ここで延長しておかないと、テロについて日本がどのように考え、国際社会と関わっていくかについて、世界に間違ったシグナルを送りかねない。アメリカと距離をおくにしても、もう少し別の方法で計画的にするべきだと思う。


 しかしイラク特措法が今年の6月20日にさっくり可決されたのに、今更テロ特措法で騒いでるのを見ると、ずいぶん政局は変わったもんだとしみじみ思う。2ヶ月ちょっと前の出来事なのに(笑)。と同時になんだかなーという気がしないでもない。だってどっちかっていうと、イラク特措法のほうがもめる要素満載だしね(笑)。
 てか、そもそも国民はアフガニスタン情勢や、テロ対策特別措置法なんてもんにそんなに興味ないだろー。憲法問題さえあんま興味ないのに(笑)。なんで国会でこんなの焦点にするかね。どうせバトルするなら、社保庁年金問題と、政治とカネの問題と、都市と地方の格差解消でやってくれ。これなら外国関係ないし。・・・・・いや、政治とカネの問題は正直飽きたな。


 2001年9月11日に米国で9.11テロが起こってから今日でちょうど6年目を迎えました。この事件でなくなられた多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りします(日本人犠牲者含む)。やっぱりテロは許せません。


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監督: ジュール・ノーデ, ゲデオン・ノーデ

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