・安倍首相の辞意表明は突然に(お金では買えない価値がある)

 2007年9月12日午後2時、安倍晋三首相(52)は首相官邸で記者会見を行い、退陣する意向を明らかにしました。辞意を決断した理由として「民主党の小沢代表に党首会談を申し入れたが、残念ながら断られた。テロとの戦いを継続させるには自らがけじめをつけることにより、局面を打開しなければならないとの判断にいたった」と涙をにじませました。
 10日には所信表明演説を行って続投の意思を示したにもかかわらず、各党の代表質問を受ける直前のタイミングでの辞意表明はあまりに唐突であり、内外から無責任だとの批判の声もあがっているようです。つか結局、辞めても続けてもどっちみち批判はされるわけですが(笑)。


 安倍ちゃん辞めちゃうのかー。1年持たなかったかー。第一報を聞いたときの素直な感想は「ありゃりゃ、そうきたか」っていう。もうね、このタイミングがすげー。誰も予想してなかった。こりゃみんなビックリするわ。
 ま、突然ていうか一応、予告はしてたんだけどね。9日のAPECでの会見で、テロ対策特別措置法の延長問題を巡り「職を賭して取り組んでいく。継続できなかった場合、職責にしがみつくことはない」って本人がいってるし。でもその時は自信満々に見えたし、国際公約してたし、なんか小沢さんと民主党を説得できる奥の手でもあるのかと思ってた。まさかそれが党首会談での説得だったとは・・・。
 てか党首会談で誠意を持って話せば、小沢さんは納得して延長してくれるとでも思ってたのか?どんだけあまあまなんだよ。ま、自分は特措法の延長に賛成なわけですが、民主党は選挙公約で特措法の延長に反対しているわけだし、その公約で選挙に勝っているんだから小沢さんが反対するのは筋が通っている。そこは自分も一定の評価をしている。むしろ党首会談なんかで賛成したら、そっちのほうがビックリするわ。てか安倍ちゃんあきらめんのはえぇ(笑)。


 でもこれだけ明確に、安倍ちゃんがテロ対策特措法の延長が困難だから辞めるっつってんのに、なんか体調が悪かったからとか、前々から辞めるつもりだったとか、スキャンダルを恐れて辞めたとか、報道が無茶苦茶ですわ(笑)。きっと安倍ちゃんがこれほど大切に思っているテロ対策特措法は、世間ではどーでもいいと思われてるんだろう。
 確かにテロ対策特措法の延長は大事よ。延長しないことで日本が得るのは給油代で、失うのは外国の日本に対する信頼だ。きっと安倍ちゃんは国家の大計を案じていたのかもしれない。でも小沢さんや民主党はなんとしてでも政権をとることを考えているし、自民党議員は自分達が次の選挙で当選するには安倍ちゃんが党首じゃダメだと考えているし、庶民の多くはアフガンの惨状ではなく、目の前にある生活のことを考えてる。要するにみんな自分が大切という事です(笑)。


 ま、安倍ちゃんの思いが民意からズレてたのは間違いない。ついでに無責任なのも間違いない。どー見てもあきらめて投げ出しちゃったわけだし。説明不足なのも間違いない。安倍ちゃんの支持者だってたくさんいただろうからね。
 でも安倍ちゃんのテロ対策特措法に対する思いは素直に受け止めた。安倍ちゃんが首相を辞めてまで訴えたかった、テロ対策特措法への想いは、自分には届いたと思う。人の真剣な話は笑ったり馬鹿にしたりしないで、素直に耳を傾けるべきだと思うんだよね、やっぱ。
 えーっと、とりあえずお疲れ様でした。


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 ・APEC首脳会議は防水コートで記念撮影(見っ直そう♪見直そう♪)
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