・雨のF1日本グランプリ決勝(本田宗一郎に捧ぐ…)

 2007年9月30日にF1第15戦日本GP決勝が、トヨタのホームサーキット、静岡県小山町富士スピードウェイで行われ、ポール・トゥ・ウィンでルーキーのルイス・ハミルトン(マクラーレンメルセデス)が今季4勝目をあげ、F1史上初の新人での総合優勝に王手をかけました。
 ホームコースでのレースとなったトヨタはJ.トゥルーリが13位、R.シューマッハーはリタイア。ホンダはR.バリチェロが10位、J.バトンが11位。日本人ドライバーの山本左近(スパイカー)は12位、佐藤琢磨(スーパーアグリ)は15位でした。


 今回の日本GPは1977年の事故以来、30年ぶりに富士スピードウェイで行われたわけですが、なんかすごい雨と霧だった。ほとんどなんも見えない。で、19周目までセーフティーカーに先導されたりして、最初からグダグダ感が漂いまくり。レースが中止されなかったのは、チケット払い戻しができなかったせいだな。なんせ14万人も来場しちゃったらしいかんね。これでやめたら大赤字。だから強引に始めてみましたみたいな。
 で途中からセーフティーカーが外れてレースが始まったわけですが、ドライバーも結構ツルッツルすべってた。クラッシュしたり、スピンしたりして。あれじゃ前も後ろも見えないし、レースなんて無理だって。おかげでハミルトンと総合優勝争いをしてた前回王者のアロンソは、途中でぶつけられて、挙句スピンしてリタイヤしちゃった。眉毛散々だな(笑)。ここんところ不運すぎ。自分はレース自体は、結構楽しめたんですけどね(笑)。
 残りは中国GPとブラジルGPの2戦ですが、これでほぼハミルトンの総合チャンピオンは確定でしょ。黒人初の世界チャンピオン。しかしルーキーなのに前回王者を抑えて優勝しちゃうとは、やっぱりハミルトンはすげーな。今回も磐石の走りだったし。ホント参りました。
 それから今回の日本GPはすごい金かけて、キムタクまで導入して煽りまくった割りには、トヨタもホンダも日本人ドライバーも、悲しいほどに期待ハズレ・・・ま、予想通りといえば、その通りなんですが(笑)。


 しっかし今回の運営は本当に酷かったらしい。トラブル続出で、トヨタに対するF1ファンの怨嗟が渦巻いている。今回は徒歩や車での来場を禁止して、最寄の駅や指定駐車場からバスでサーキットに入場させる「チケット&ライド」方式だったらしいのですが、予選や決勝のレースに間に合わないわ、レース終了後もサーキットから出られないわで、混雑防止の交通規制が逆に裏目に出ちゃったらしい。
 そりゃあんな雨の中、バス4時間も5時間も待たされたらキレるよなー。富士山麓は寒いし。富士スピードウェイの近くに籠坂峠と三国峠っていう峠があって、そこはサーキットの爆音が聞こえる高台で、自分はよく自転車で登りに行くんですが、あの辺はゴルフ場以外に何もない。あとは変電所と林間学校ぐらいしかない。
 やっぱあの場所に14万人は、どう考えても無茶だろ。近くにホテルも何も無いのに。せいぜい8万人ぐらいだろ。トヨタはちょっとがめつ過ぎ。キャパシティ超えすぎ。ついでに無理やり作った仮設スタンドは、コースが見えないオマケ付き(笑)。しかもカレーパン500円とか、天ぷらうどん1000円とか、どんだけぼったくれば気が済むのかと。そりゃ1万円のF1弁当はちょっとウケたけど(笑)。


 やっぱF1を愛し、レースを愛し、レースファンを愛した本田宗一郎は、本当に偉大だった。今ならわかる。ホンダの鈴鹿サーキットなら、ホテルも遊園地もあるし、そもそも近くに駐車場があるしね。しかも土曜日の夜は一晩中、F1ファンにサーキットを開放してるし。だいたいF1ファンなんて、長い休みをとって、サーキット周辺でキャンプをしたりしながら、思い思いの観戦スタイルで、予選や決勝があるレースウィークを楽んだりするもんなのに、強制的にバスで駅までつれてかれるとかもうね・・・。
 トヨタはレースもファンも愛してなさ過ぎ。お金と顧客は愛してるんだけどね(笑)。


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