・沖縄歴史教科書検定問題メモ(一億総玉砕)

 本日は沖縄戦「集団自決」問題について。自分はこのニュースにはそれほど関心がなかったこともあり、何がなにやらさっぱりなのですが、なんかすごいことになってるみたいなんでとりあえずメモメモ。


 事の発端は2005年8月に大阪地方裁判所に提訴された「大江健三郎岩波書店沖縄戦裁判*1」らしい。これは集団自決を命じたと言われている元軍人が「命令はしていない」と主張し、大江健三郎岩波書店名誉毀損で提訴したもの。
 これに伴い2007年3月の教科書検定意見で、2008年度版の高校日本史の教科書から、沖縄戦の集団自決に日本軍の強制があったとする記述が削除されたらしい。これについて文科省は「軍の強制は現代史の通説になっているが、当時の指揮官が民事訴訟で命令を否定する動きがある上、指揮官の直接命令は確認されていないとの学説も多く、断定的表現を避けるようにした」と説明。
 で発表時からこれに反発した沖縄県民(の一部と沖縄マスコミとプロ市民の方々)は2007年9月29日に「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を開き、記述を削除した文部科学省に対し、検定意見撤回求めたということらしい。この参加者数が推定2万人〜12万人までとめちゃくちゃ幅広く、何人集まったのかで物議を醸しまくりで、もはや都市伝説みたいになってるのは、とりあえず別の話(笑)


 ま要するに、これまでは集団自決について「日本軍に…強いられ」「日本軍により…追い込まれ」と、日本軍による強制・命令を明記されていたのが、2008年度版の高校教科書では「集団自決」がどのように引き起こされたかあいまいになっちゃたということ。で政治的圧力により「強制、命令」ってちゃんと書けと。つまりはそういうことらしい。これを載せるかどうかで、政治家も、マスコミも、沖縄県民も大騒ぎですよ。
 教科書への政治介入については「教科書検定に政治的介入はあってはならない」っていうのは、確かに自分も正論だとは思いますけどね。ただ教科書の精度を一定に保つために、国が記述を検定してるのは確かなんで、介入してないかっていわれたらしてるよな。むしろしまくり(笑)。違いは「この教科書を使え」というか「これ結構いいっすよ」っていうかの違いくらい。
 でもそりゃまぁ、あっちこっちの学校で好き勝手に適当な教科書が選ばれても困るので、それはそれでしょうがない。これを「検閲*2」と呼ぶかどうかは言葉のニュアンスの問題・・・・・かな?(笑
 で日本軍による強制・命令があったかどうかは、「大江健三郎岩波書店沖縄戦裁判」は元隊長さんの個人的な名誉毀損の問題なので別にしても、軍の民間人への命令書などによる明確な関与はとりあえずなかったらしい。ただ当時は戦陣訓の「生きて虜囚の辱を受けず」みたいな教育が広く一般に行われてたのも事実だしね。
 追い詰められた戦況の中で、米軍に捕まるぐらいなら死んだほうがましっていう空気が村全体にあったりしたのかもしれない。「僕は死にましぇん!」なんて言おうものなら「ちょwwwおまwww抜け掛けすんなwww」みたいな雰囲気。で集団自決みたいな。これを「強制」と呼ぶかどうかは言葉のニュアンスの問題・・・・・かな?(笑


 でこれについての自分の考えを述べると・・・・・んなもん高校の教科書に載せようが載せまいが、正直どっちでもええわー(笑)。だっていっとくけど、ほとんどの高校生にとって一番問題なのは、それがテストに出るのか出ないかだ。それのみが重要。他はどうでもいいみたいな。強制とか関係ないみたいな。で、この問題はテストに出るの?(笑)


その他の記事
 ・ゴーヤ・チャンプルーはマジチャンプ(めんそーれ沖縄)
 ・10月1日郵政民営化スタート(さよならポストン)
 ・ 福田氏が麻生氏を破り自民新総裁に就任(パンダハガー)




カーマ・スートラ~愛の教科書~
出演: インディラ・ヴァルマ, サリター・チョウドリー 監督: ミラ・ナイール

ポニーキャニオン (2004/01/21)

Amazon.co.jpで詳細を見る

*1:別名「集団自決」訴訟。元沖縄戦指揮官および遺族が「玉砕命令はしていない」と、大江健三郎および岩波書店名誉毀損で訴えた裁判。2005年8月に大阪地方裁判所で提訴され、2008年中に結審し判決が出る予定らしい(未定)。

*2:ちなみに家永教科書裁判の最高裁判決では「一般図書としての発行を何ら妨げるものではなく、発表禁止目的や発表前の審査などの特質がないから、検閲にあたらない」としている。また沖縄戦にについても「日本軍の命令によりあるいは追いつめられた戦況の中で集団自決に追いやられたものがそれぞれ多数にのぼることは概ね異論のないところであり」としている。