・映画「サラマンダー」レビュー(REIGN OF FIRE)

 自分は普段、映画とかあまり見ないのですが、本日は映画レビュー「サラマンダー」。現代に甦った太古の巨大竜サラマンダーが、人間を恐怖に陥れるSFパニック・スリラーらしい。でもさくっちょさんに言わせるとこの映画、「世界一面白く無い映画」第1位に認定されているらしい。本人が勝手に認定してるだけだけど(笑)。でも「世界一面白く無い」ってなんだよみたいな。いやいやサラマンダーにもいろいろと事情があるわけだし・・・それにさくっちょさんは、なんでもかんでも大袈裟だし・・・それにいっくらなんでもちょっと言い過ぎじゃね?みたいな。でも見てないのにそんなこというのもなんなんで、さっそく見てみたわけですよ、映画「サラマンダー」。擁護する気マンマンで。
 でまあ、結論から言っちゃうとすごく残念な映画でした。見終わったあとに本気で「えぇー、まじっすかー?」ってなる。内容がレタスの味より薄っぺらい。でも、なんつーか、ここまできたら、「サラマンダー」のいい所を人々に伝えたい!ちょっとでもこの映画を感じて欲しい!そう思ってレビューしてみました。ネタバレっていえばネタバレなわけですが、かなり前の映画(2002年ロードショー)だし、いまさらこんな映画のネタバレ気にする人もあんまりいないと思うので、ネタバレ全開で行かせていただきます。


 ちなみにこの映画は、現代のロンドンで子供の頃の主人公が、地下鉄工事中に地下で眠っていたドラゴンと出会うシーンから始まるわけですが、その後の世界崩壊の様子をたった数分の静止画像とナレーションで済ませちゃうの。すんごいダイジェスト。そこで凄まじい数のドラゴンが出現して都市を破壊し尽くし、そのドラゴンは最新兵器や核兵器を使っても倒せず、生き残ったわずかな人類は荒野に逃れた…ってトコまで有無を言わさず一気に説明。こんなの料理番組でハンバーグ作り始めたと思ったら、「出来上がったものがこちらです」って言われたようなもんですよ。「あれ!?」みたいな。マジで間はしょりすぎ。こんなんだったら、最初からサラマンダーに滅ぼされた世界ってことで始めてくれ。
 で、時は流れて西暦2020年、大人になった主人公は荒野の砦で竜の襲来に怯えて暮らす人々のリーダーになってるわけですが、お腹を空かせた人たちが、勝手にトマト畑に行ったところに、ついに登場しましたドラゴン!やっぱね、この映画の見所としては、ほんと、ドラゴンを置いて他には無いわけです。何はともあれドラゴン。しかも結構カッコイイ。普通の映画よりも若干多めに、ドラゴン出てます。いつもより多めに火とか吹いてます。ただドラゴンの出番が少ないのがちょっと・・・・戦闘シーンでも攻撃してくるのは一匹づつだし・・・・・。


 で、命からがら逃げ帰って、食料無くってお先真っ暗なところに、やってきましたアメリカ軍。戦車と装甲車とヘリコプターで。ケンタッキーからはるばる海を渡って。ホントご苦労様です。しかもこの人達、竜を200頭以上も殺した実力者らしい。その人たちによると不死身と思われてた竜は決して倒せないわけではないらしい。で、タフなアメリカンマッチョぶりを発揮して竜を1匹倒しちゃうわけですよ。ヘリから飛び降りて、竜にネット掛けて地上に落として、モリみたいなので仕留めちゃうの。竜はどうやら近代兵器には無敵でも、古代兵器には弱いらしい。トホホ。
 でその米国人のいうことにゃ、竜はでっかいオスが1頭で他はみんなメスらしい。そのオスがロンドンにいて、そいつを倒せば人類は救われるらしい。というわけでみんなで意気揚々とロンドンにむかうわけですが、途中でそのオスが現れて、炎一吹きで兵士200人と、戦車や装甲車といった近代兵器を全滅させちゃうの。特に戦闘シーンもなく所要時間はだいたい15秒ぐらいで。ボスサラマンダーつええええええええ!てか、戦車と装甲車意味ねえええええええ!しかも200人が無駄死に。


 でね、武器も兵士もなくなっちゃって、どうするかっていうと、結局ね、たった3人でロンドンに乗り込んじゃうわけですよ。なんか壮絶な死闘のはずがどんどんこじんまりとしてくるっつーか、なんつーか・・・・結構アットホームっつーか、良く言えば少数先鋭?武器だってボウガンとマシンガンとライフルしか残ってないわけですよ。あと斧。このへんもうグダグダ。全人類vsドラゴンの生き残りをかけた戦いのはずが・・・・(笑)。
 しかもロンドンはサラマンダーの巣窟になってて、空をビュンビュン飛んでたはずだったんだけど、最終決戦の現場にきたら何故かボスが1匹になっちゃうの。でまあ最後は、斧ですよオノ、オノもって特攻。ここはせめて剣にして欲しかった・・・どうでもいいけど(笑)。その攻撃で飛べなくなったボスサラマンダーの口のなかに、弾薬しこんだ矢をボウガンで撃ち込んでドカーンっていうね。最後はボスサラマンダーよええええええええ!ありえない。正直ちょっと泣いた。きょうびドラクエだってもう少しマシなラストバトルするっての。もうちょっと考えて欲しかった・・・・。しかもこれで大団円ていうね。「あれから3ヶ月、ドラゴンの姿はみかけない」だって。笑顔で畑を耕しちゃったりして。てか、他の竜はどこいっちゃったんだよー(笑)。


 というわけですごい映画でした。これはなんも考えずに、全ての世界観を受け入れてボケっと見る映画だね。考えだすと本当に酷い。この映画、ツッコミどころは数々あるわけなんですが、とりあえずあんなドラゴンで、世界が滅びるわけねーだろっていう。核では倒せないのに、なんでボウガンでは倒せるんだよっていう。ラストバトルとかね、失笑ですよ、失笑。ほんとね、ナイスドラゴン。ま、そんなこんなをひっくるめて、とってもクールな映画でした。97点。みなさんも良かったらぜひ見てください。オススメ(笑)。最後に、何が一番声に出して言いたいかっつーと、この映画、ぜひ劇場で見てください・・・・・(すでに手遅れ)


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サラマンダー
出演: マシュー・マコノヒー, クリスチャン・ベイル 監督: ロブ・ボウマン

ポニーキャニオン (2005/07/06)

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