・ヤマハがピアノの名門ベーゼンドルファーを買収(ウインナートーン)

 2007年11月28日、ヤマハがあの有名なオーストリアの高級ピアノメーカー、ベーゼンドルファーを買収することで合意したそうです。買収額は推定25億円程度で、ヤマハベーゼンドルファーの全株式を取得する方向だそうです。ベーゼンドルファーは2006年には約3億円超の赤字を計上するなど、最近苦しい経営が続いていたらしい。新商品の開発に失敗しちゃったらしい・・・。
 ちなみにベーゼンドルファーとは1828年の創業以来、各国の皇室や王室、またリスト、ブラームスヨハン・シュトラウスといった数々の著名な音楽家に愛された、スタインウェイやベヒシュタインと並ぶ世界屈指のピアノ製造会社で、ここでは職人のハンドメイドの伝統が守られており、製造台数は年間350台程度なんだって。少なッ!
 ヤマハ幹部は「ベーゼンドルファーというブランドが手に入ったとしても、ブランドだけ張り付けてピアノを売るようなことは考えられない」とし、「ベーゼンドルファーが持つ“ウィーンの音”を残さなければ意味がない」と話しているそうです。


 にしても、久々に見たな、ジャパンマネー関連の記事。最近は日本が買収される記事ばっかだったからな。ちょっと嬉しい。いちおう売却先としては、オーストリアのピアノメーカー、ブロッドマンが約18億円を提示してたみたいだけどね。ヤマハが勝ったらしい。けっこう吹っかけられた感はありますが(笑)。だってベーゼンドルファーとか、無駄にプライド高そうだからなー。品質には口出しさせないとか、ブランドまでは売らないとか、従業員の雇用を保証しろとか、無茶苦茶な条件出されたんだろうな。たぶん。
 まあね、いまさら技術的に学ぶところもそんなにないだろうし、経営的には買収のメリットはあんまりないかもしれないけど、ベーゼンドルファーの名前と技術と過去の栄光を残す為の、文化事業の一環だと思えばね。ヤマハのイメージ戦略的にもそんなに悪くない事だと思う。ヤマハの格もちょっとは上がるでしょ。まあ、良かったのではないでしょうか。


 ま、ベーゼンの音っていわれても、自分にはサッパリわからないわけですが(笑)。アコースティックピアノの音色なんて、アップライトの低音がショボイことぐらいしかワカラン。てか、値段が高い。高すぎ。軽く1000万円越えてくるし。総象牙の鍵盤とかちょっとウケた。しかも調律とかメンテナンスも大変らしい。そっちも結構金かかるらしい。しかもグランドピアノとか場所取るしね。やっぱり金持ちアイテムだよね。ピアノって。
 でも地方のホールや公会堂みたいな文化施設には、それなりに置いてあるらしいね。新潟の「はーとぴあ中郷」ってとこで、「村の子どもたちに一流のピアノを」「施設の目玉になるものを」と、当時の村がベーゼンドルファーのピアノを1088万円で購入したが、これまでプロの演奏家によるピアノ公演が行われたのはわずか2回で、地元の合唱祭や発表会などで使われる以外は、ステージ脇の収蔵庫にしまわれていることが多い…って記事に笑った。凄まじい宝の持ち腐れだな。オブジェにすらなってない。どう考えてもヤマハ、カワイで十分。


 とはいえブランドの効用はやはり、プライドやメンツを保つ一方で、他とは違った個性を見出し、ワンランク上の生活の豊かさや優越感を実感するという事にあるのだから、それはそれで正しい金の使い方な気もする(笑)。


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