・やっぱり坂が好き(全力坂)

 いきなりだけど、坂道っていくない?自分はねー、坂大好きッ子。坂を見るととても興奮して、無性に上りたくなる。思わず歩きだしたくなる。なるんだけどやっぱ間違ってるカナ?ちょっとおかしいカナ?週末とかめちゃくちゃ坂が登りたくなるんですけど。ナゼかと聞かれても、ナゼかそうなの。やっぱり変態なのかな自分ッ!
 でも自分が趣味として、自転車を愛するのも、登山を愛するのも、やはり理由は「坂」が好きだからなのだ。坂道大好き。いわゆる全国に500万人はいるといわれる、坂マニアで、坂フェチの一人だ。自分が世界一愛するのは坂だ。うそです。言い過ぎました、すいません。でももちろん、都内のユルイ坂道などではぜんぜんない。あんなの坂とはよべない。いや、坂とは呼べるけど、自分の心がときめいたりはしないのだ。もっとずっとキツイやつ。せめて標高差1000mぐらいは欲しいね。なかなかないけど(笑)。


 ホントね、自分は自転車に乗るのが趣味とかいってっけど、実は自転車とかどうでもいい。いや、どうでも良くはないんだけど、チャリなんて「坂」を登るためのただの「ツール」だ。もちろんチャリでびゅーんってそこら辺を走りまわるのも好きなんだけど、やっぱりヤビツ峠とか、風張峠とか、峠を登る方がだんぜん面白い。
 登山もね、別に山とか自然とかどうでもいい。いやどうでも良くはないんだけど、坂道ありきの自然というか、その自然に坂道がどれくらいマッチしているかというのが重要であって、自然は坂道の付属物なのだ。坂道が重要。もちろん青空の下をのほほんと散歩したりするのも大好きなんだけど、やはり坂道をのぼりたい。


 坂道はおもしろいよ。マジで。けっこう体力いるけど。毎日ジョギングしてるのも坂道を登りたいがためだ。もちろんつらくもある。登っている最中とかね、「頂上とおいなー」「ひー、まだかよ頂上ー」「もうむりかも・・・」って思いが頭の中をぐるぐるしたりもする。もうどうしたらいいかわからなくなって、諦めちゃおっかなって思うことも度々。
 でも登り終えた時は、本当にうれしい。達成感ていうの?心がじーんとする。景色が良かったりしたらなお最高。思わずうっとりして、恋に落ちそうになる。山に。くたくたで心が弱ってるから(笑)。何処までも広がる空とか、まぶしい日差しとか、そういうのに弱いのな。自分。なんかすごくきれいで、とても切なくなる。で、その景色は丁寧に心の奥の方にしまっておく。


 なんでそんなに坂が好きなんだろう?って考えてみたけど、特に理由なんてない。たんなる習性だとおもう。てんとう虫(天道虫)ってさ、葉や枝の一番上まで登ってから、大空へ飛び立とうとする習性があるじゃないっすか。上へ上へと高いところを目指す本能。たぶん自分もあんな感じだと思う。だからキコキコとチャリで峠を登ったり、テクテクと徒歩で山頂を目指したりするのだ。
 でも、もちろん空なんて飛べなくて、空を見つめてガッカリして、とぼとぼと山を下りるのだ。悲しく地べたを這いずり回るのだ。そうやってまた新しい日常がはじまるのだ。がんばって最後まで続けるのだ。くだらなくて、ささやかな趣味の話。


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