・崖の上のポニョ対決(この世はやはり弱肉強食)

 あっつぅー・・・いやー、もうすっかり夏ですね。っていうか、先日公開されましたね、「崖の上のポニョ」。宮崎駿監督の映画が公開されると、毎度はじまる「宮崎アニメのどの作品がいちばん素晴らしいのか?」っつー、自分にしてみればどーでもいい不毛な議論で、周りの人々は大いに盛り上がったりしているわけですが、自分の近くにもさっそくポニョを見てきたジブリ信者さんがおりまして、「やっぱかわいいよね〜。ポニョ♪」なんつってワイワイ盛り上がっていたわけです。でね、自分もその幸せな会話に混りたくて、おもわず「ポニョって焼いて食べたらどんな味なんだろう?」みたいなことをね、ポロッと言っちゃったわけですよ、この口が。軽いギャグのつもりで。さらっと。今考えると、やはり軽率だったのですが・・・・・。
 そしたらその人、いきなり機嫌が悪くなって「信じられない」「人間じゃない」「野蛮人」とか言い始めまして。なんならオージーよろしく「賢いクジラを食べるジャップは野蛮人」みたいな、そんな風な軽蔑した目で見られまして。こんなことで、そんなにキレなくても・・・とは思ったけど、なんか自分の発言がよほどお気に召さなかったらしく、あんまりすごい剣幕だったので、これはヤバイと自分も必死こいて言い訳してみたわけです。


 でね「あ、えーっと・・・ポニョって魚じゃないの?」って聞いたら「さかな」だっつーの。「でも、ふつーはおさかな食べますよね?」って聞いたら「食べる」っつーの。「じゃあ何で怒ってるの?」ってきいたら「許せないから」っつーの。「なんで?」って聞いたら「なんでも」だってさ。要するに、あのかわいいポニョを食べるっていう、その発想自体が許しがたいということらしい。
 でも他人の意見が気に入らないからって、それでキレちゃうのもいかがなものかと思ったので、とりあえずちょっとだけ、食い下がってみたわけです。「あなたも魚を殺して、それをおいしく食べているのに、魚を食べるという発想が許しがたいって、なんか矛盾している気がするんですけど?だいたい、ポニョの妹たちもあんなにたくさんいるけど、ほとんどは大きな魚に食べられちゃって、大人になれるのはあの中のほんの一握りなわけ。それが自然の摂理というものなわけ。もしも宮崎監督がそんなシーンを入れたら、そのことも許せないの?つーか、ポニョなんて単なるアニメの話じゃん。なんでそんなに熱くなってんの?ハリウッド映画で人が何人殺されたって、どーせ別になんとも思わないんでしょ?」って、大体こんな感じのことをいってみました。


 そしたらね、もうドツボ。ものすごい沈黙。ものすごい形相。「完全に切れちゃってるよ、この人。うわっ、やっべー」みたいな。もうね、目がこわい。完全にイッちゃってる。獲物を狩るトラみたいな目してた。ちょっとでもしゃべると、おもわず「キィッー!」って、変な声が漏れそうな勢いだった。本人気づいてなさそうだけど、鼻の穴がヒクヒクしてた。「あの・・・鼻の穴がすごくヤバイですよ?」って教えてあげようかとも思ったけど、そんなことを指摘したらマジで殺されかねないのは、今の自分でもさすがにわかる。
 ここでテーブルけってケンカ別れしてもいいんだけど、ほら、自分ヘタレじゃないっすか。だからもう、土下座に次ぐ土下座ですよ。平謝りですよ。「言い過ぎました、すいません」って。最終的には自分が全面的に悪いということで、なんとか許してもらったわけですが、そりゃ、自分も大人気なかったのは認めるけど、まさか雑談ごときで謝罪までさせられるとは夢にも思わなかった。ホントね、ジブリ信者なめてた。ジブリ信者こえー・・・・・。


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崖の上のポニョ サウンドトラック
~久石譲(アーティスト,その他,演奏), 林正子(アーティスト), 藤岡藤巻と大橋のぞみ(アーティスト), 覚和歌子(その他), 近藤勝也(その他), その他

徳間ジャパンコミュニケーションズ (2008/7/16)

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