・眠りこの宇宙的なるもの(幸せのあくび)

 いやいや、暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、最近は日が落ちるのもだいぶ早くなって、朝晩もすっかり凌ぎやすくなって、パンツ一丁でいるのがつらい。季節はけっこうせわしなく過ぎてくもんだなァって、もうすぐ冬なんだなァって、しみじみ感じてみたりもしています。みなさんいかがお過ごしでしょうか。自分も何とかやってます。いえ、何とも出来ていませんが、それでもがんばって生活しております。


 でも最近は、朝がねむいったらない。ねむくて仕方がない。涙が出るほどねむい。悶絶するほどねむい。お布団がキモチいくて、起きるのがつらい。何時間でもねむっていられる。起きてもまたすぐねむってしまえる。あぁ、一体どうしたものか?
 もうね、大好きなんですよ、ねるのが。愛しているんですよ、ふわふわ毛布のことを。毎日まくらにほおずりしてっかんね。だからベッドと離れ離れになる時は、本当に胸がしめつけられる。お布団との別れはあまりに甘く切ない。できればこの時間はそっとしといて欲しい。


 なのにだ。自分愛用の目覚まし時計のヤローがね、人が気持ちよく眠ってるところを、いきなり叩き起こしたりするわけです。もうねー、毎朝「ふぅ〜、またかよ・・」ってなキモチになる。
 時々、寝不足で機嫌が悪い時なんかは「あぁもうっ、ピピッ!じゃねぇよ。冗談じゃねぇよ。ホント優しさのかけらもねえ起こし方だなオイ。たまにはピピピじゃなくて、プププとか笑ってみろ。こっちはまだねみぃーんだよっ。ふんだ、こうなったら意地でも起きてやらんっ!」ってな感じで、ぶぅーたれたりもする。


 これが毎朝ですよ。アホです。でも目覚まし時計は悪くないの。それはわかっている。目覚ましに優しさだの感情だの、そんなもんあるわけがない。だって機械なんだから。目覚ましは自分を起こすのが仕事で、それを忠実に行っているだけだ。
 だからここでふてくされてはいけない。そこでふてくされて、目覚まし時計に八つ当たりしたり、二度寝したりするのは、ダメ人間であり、幼稚な中学生であり、社会人として問題外であり、男として最低なのだ。ここは颯爽と仕事に向かわねばならないのだ。


 でもホントねぇー、毎朝すっきり起きられる人の気持ちがわからん。そりゃね、自分も暖かい日差しの中で、小鳥のさえずりを聞きながら、自然に目が覚めたりしたなら、もしかすると清清しいのかもしれないけど。
 それにひきかえ、眠りの世界はとっても美しくて魅力的だ。深くて暗くてくすんでどろどろとしている。澱んで停滞して何もない掴み所の無い宇宙みたいだ。ただひたすら何も考える必要がなくて全てを忘れることが出来て世のしがらみから解放される。自分が眠りを愛して止まない理由。


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チャイコフスキー:バレエ「眠りの森の美女」全曲
~ ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 ボニング(リチャード) (アーティスト), チャイコフスキー (作曲), ボニング(リチャード) (指揮), ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 (演奏), ガバロ(フランシスコ) (演奏)

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