・山の竜神のラストランは涙なくして語れない(箱根駅伝2012往路)

 2012年1月2日、第88回東京箱根間往復大学駅伝競走の第1日目が、往路5区間(計108.0km)に20チームが参加して行われ、前回大会のリベンジをめざす東洋大学が、2位に5分以上の差をつけて堂々の圧勝、5時間24分45秒の往路新記録で、4年連続の往路優勝を果たしました。おめでとうございます。つづいて2位には、去年総合優勝を果たした早稲田大学、3位に明治大学、4位に駒澤大学・・・とここら辺までが、総合優勝圏内でしょうか?トップとの差が大きすぎる気がするけど(笑)。


 でまあ、さっそく往路の感想のほうなんですけど、1区からいきなりはえぇ(笑)。早大の大迫選手をしっかりマークする形で、1区からものすごいハイペース。去年は初っ端から大迫選手の飛び出しを許しちゃったので、同じ轍は踏まないぜー!みたいな。ハイペースいいね。面白い。けん制し合いの1区より、ずっと面白い。てか、日体大の服部翔大選手が、大迫選手を、めっちゃ見てるのに笑った。それでも5kmまで様子見してた大迫選手は、一気にスパート。1区からワクワクマックス!
 おかげで1区からハイペースについていけない選手が続出。ついていった服部選手がさすがだわ。最後バテてたけど(笑)。そんな中、無難にまとめてきた駒大・撹上宏光選手と東洋大・宇野博之選手はさすが。城西大・村山紘太選手も。てかこのハイペースで壊滅しなくてよかった。ここでやらかしたらいきなり箱根駅伝おわるし(苦笑)。しかし今年も大迫手の走りは素晴らしいかったなあ。マークされている中で自分から仕掛けて行ってそのまま突き放して区間賞。さすが。強いわ。


 そして去年ほど早大の独走を許さずエース区間、花の2区に突入。ここでなんとー!東洋大・設楽啓太選手がトップ通過!ええー!柏原選手の貯金を考えると、早大と駒大は、ここで頑張らなくちゃいかんでしょ?少なくとも30秒差はつけなあかんでしょ?なのになのにー!早大・平賀翔太選手は快調に飛ばしていたんだけどなあ。途中で腹痛に見舞われてしまったらしい。駒大・村山謙太選手もちょっぴり不発。しかし2区で東洋大がトップというのは、さすがに出来すぎというか予想外。
 あと東海大村澤明伸選手と、青学大・出岐雄大選手のデッドヒートは出岐選手に軍配。村澤選手の出来が悪かったとはいえ、出岐選手はすごいなあ。去年もすごいと思ったけど、まさかここまでとはねっ!それにしても、めずらしく黒人が目立たない花の2区だった。黒人が1人も走ってないから当たり前だけど。でも、それはそれでさびしかったりして。黒人が2区のいいスパイスになっていたというのは改めて同意。走っていると「チートじゃん!」ってプンスカするんだけどね(笑)。


 3区では、早くも東洋大・山本憲二選手と早大・矢澤曜選手の併走。そして徐々に矢澤選手が遅れはじめる。てか、山本選手の出来が良過ぎだ!そして矢澤選手の出来が悪すぎ。ここでかなりの差がついた。これは、早大的にはまったく計画通りではないんだろうな。でも、それ以上に計画通りでないと思われるのが駒大。別にやらかしたわけでもないのに、地味にジリジリ遅れまくってる。イマイチ流れに乗れていないというか。3区の油布郁人選手も、もっといけたはずなんだけどなぁ。
 そしてなぜか今年は3区で行われる留学生対決。山学大・オンディバ・コスマスと、拓殖大・ダンカン・モゼのデッドヒート。ただ、かなり後ろのほうでの対決だったので、こちらもイマイチ盛り上がりに欠ける。もちろん日本人選手とスピードは全然違うんだけどね。コスマス選手の区間新はさすが留学生というべきか。ただまあ、モグス選手やダニエル選手なんかと比べると、スピードとインパクトが足りないんだよなあ。逆に言うと、彼らのインパクトがすごすぎただけなのだけど。


 4区。ここでトップ東洋大と2位早大の差が2分近く開いてしまった。まさにダメ押し。もはや完全に東洋大の術中にはまってる感じ。東洋大1年の田口雅也選手の走りは素晴らしかった。でも、5区の柏原選手のごぼう抜きがみたかったので、これはこれで複雑な気分・・・。いや、柏原ファンの自分としては、柏原選手にはぜひとも、有終の美を飾って欲しいとはおもっているのだけど。だから最終的には東洋大に勝って欲しいとはおもうのだけど。でも・・・それでも・・・むむむ(苦笑)。
 正直こんなに強い東洋大は見たくなかった。てか、この強さは、出来れば復路までとっておいて欲しかったー(笑)。だって駅伝の醍醐味はデッドヒートだと思うのよ。なのにこの差。往路優勝確定じゃん。でもそれ以外は意外と順当な順位な気が。強いてあげれば城西大と順大が出来過ぎな気がするけど。てか順大がここで11位とは。むしろ最下位争いしてても、全然おかしくないのに(笑)。順大は復活の兆しがあるのかな?順大いないとやっぱ箱根な気がしないので、これはうれしい誤算。


 そして5区。柏原竜二選手のラストラン。これはもう、対戦相手はどう考えても抜けないので、もはや記録との戦い。そして自分との戦い。どれだけ差がつくのか、ドキドキしながら見ていた。沿道の人の数がすごい。声援がすごい。柏原選手の人気がすごい。こっちまで、ちょっぴり胸が熱くなった。最後のガッツポーズに泣いた。やはり強い。区間新記録の圧勝。もはや柏原選手は、箱根の生きる伝説みたいなものなので、そういうのに惹かれる気持ちって、みんなあるんだなあ、としみじみ。
 箱根で柏原選手を見るのもこれで最後かとおもうと感慨深い。目をつぶれば、思い出が走馬灯のように・・・って死ぬわけでないけど(笑)。でも柏原選手の1年のときのあの走りは、すごい衝撃だった。自分はあの走りをみて、一発で彼のファンになってしまったのだ。それからこの4年間、箱根は柏原選手の走りがすべてだったといってもいい。なので、やはり胸に迫るものがあった。とても素晴らしいビクトリーランだった。しかもしっかり区間新とはね。さすがとしかいいようがない。


 最後にこの場を借りて、柏原選手に感謝の言葉を述べたい。この4年間の箱根駅伝は、柏原選手のおかげでとても素晴らしいものになった。彼の走りを見てからずっと、自分を幸せにしてくれた存在だ。いくら感謝しても、しきれないくらい。自分がどれだけ柏原選手の山での走りを愛してたのか、今日改めて気付かされた。たぶん柏原選手の走りは、自分の心に永遠に生き続けると思う。今後、箱根の山を走ることがないと思うと、少しやりきれない気持ちだけど、今後も頑張って下さい。


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 ・趣味は箱根駅伝、特技は箱根駅伝、好きな食べ物は箱根そば(かき揚げうどん)]
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