・いつか素敵な思い出にきっとならないゴールデンウィーク(Have You Ever Seen The Rain)

　くそおぉぉぉぉお！今年のゴールデンウィークは天気が悪かった！天気が悪かったぞぉぉぉぉお！あれー。ゴールデンウィークって、そういうルールだっけ？もっと行楽日和とか、ポカポカ陽気とか、そういうニュアンスじゃなかったっけ？今年は久々にゴールデンウィークに登山でも行くかって思い立ったが吉日。くそぉ・・くそぉ・・・ホント酷い目にあった・・・
　もちろんね、山に行く前から、天気予報が微妙じゃね？ってちょっとは思ってはいたけど、薄々勘づいてはいたけど、見て見ぬふりをしてたっつーか、第三者気取りだったっつーか、もう山小屋予約しちゃったしね、みたいな。降水確率50％とかだし、行けばなんとかなるっしょみたいな。甘かった。なんともならなかった。てか、予想以上だった。容赦ねぇな山の天気。

　大地をうるおし、草木を生育させる、恵みの雨のコンチクショウぶりは大したものだわ。どんだけずーっと雨降ってんだよ。あーこれ、もしかしたら高木ブーがへそ曲げちゃったかなー？って思うくらい、酷かった。爽やかさの欠片もない。景色もへったくれもない。一面が灰色の世界。夜の墓場で妖怪たちと運動会でもしていたほうが、ナンボかましな位だったわ。
　もうねー、雨が降ると、山道は滑るし判りづらいし、地図はビショビショのデロデロになるし、湧き水は泥水が混じりまくるし、お昼に食べようとしたパンが水浸しで食欲が無くなる。しかもいつもの3倍は疲れる。乳酸溜め放題。ついでに、すげーもたもたする。難易度が劇的に変化するんだよね。ゲームの1面からスタートしようとしたら、いきなり10面みたいな。

　山小屋は綺麗な水洗トイレの水みたいな臭いがしたし、山小屋で寝て朝起きたら、また雨だったときの絶望感と来たら・・・これはもう筆舌に尽くし難い。単なる苦行以外の何ものでもない。たぶん朝、目が覚めたら核戦争が起きた後の、未来の荒廃した世界だった・・・というのより、ちょっとはましなぐらいだろう。むしろそっちのほうがわくわくしそうな気もする。
　まどから光が差し込んで、小鳥がチュンチュンとさえずる中で目が覚めたかったのに！何で自分はこんなところにいるのだろう、目が覚めたら自分のベッドだったらよかったのに！って、久々に現実逃避したわ。自分が悲劇のヒロインだったら「私が何をしたって言うの神様・・！」ってオイオイ泣いてたところだ。でも誰も助けてくれないので、自力で降りるしかない。

　いやもう、ゴールデンウィークの登山とは絶交するね。絶交だ、絶交！かわい子ちゃんがゴールデンウィークに「いっしょに山に登ろ♪」って言ってくれるまで、仲直りなんかしてやんないんだもんねー。もういい年こいた大人だから、アホな小学生みたいに、テレビの番組争いでけんかして、次の日には何事もなかったように仲直りできるとおもうなよ、コンチクショウが！
　自分は雨が嫌いなんだと思っていたけど、水が嫌いだわ。水との相性が最悪。あの骨に染み入るというか、感情に染み込むというか、今思い出すだにおぞましい。おかげでこのゴールデンウィークの間に、みるみる老け込んだから。頬とか俄然こけた気がする。久々に家で、TVの中で男女が乳繰りあってるのを見て、ちょっと泣いた。大自然ってすげーな。現代人でよかった。

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